登場人物

主人公: 衛士  少年   団地のクラスメイト
主人公の母  少年の両親

話の流れ

近未来。人々は専用の機械によって、自分の望む夢を自由に見られるようになっていた。夢の世界は現実以上の娯楽となり、多くの人々が日常より夢を優先する生活を送っていた。

主人公の衛士もその一人で、母親の呼びかけを無視して毎晩夢の世界へ入り浸っていた。しかしある日、夢の中に異変が起こる。悪夢の中で何者かに「あなた誰」と繰り返し問いかけられ、衛士は強制的に目を覚ます。

数日後、悪夢はさらに鮮明になり、同じ団地に住むクラスメイトたちも夢の中に現れる。調べていくうちに、悪夢を見ているのは団地の住人だけであり、外部の人間には起きていない現象だと判明する。彼らは、団地内の誰かが原因となって悪夢が拡散しているのではないかと考え、再び夢の中で原因を探ろうとする。

次の夜、衛士たちがたどり着いたのは明るい音楽が流れる家族団欒の風景だった。しかし食卓を囲む三人は仮面を被っており、その周囲には首を吊った死体が転がっていた。さらに部屋の隅には、泣いている少年がいた。

直後、衛士たちは少年の過去を見ることになる。少年の両親は夢を見る機械に完全に依存し、現実への関心を失っていた。仕事もせず、現実の家族よりも夢の中の理想の存在ばかりを見続けている。少年が話しかけても両親はまともに反応せず、ついには自分の息子のことすら認識できなくなり、「あなた誰」と問いかけるようになる。

孤独と絶望の中で、少年は両親の機械を壊す。しかし両親は壊れた機械に執着したまま部屋へ戻り、その翌朝、首を吊って死んでいた。絶望した少年の前で、壊したはずの機械は再び起動する。

場面は再び夢の中の家族団欒へ戻る。少年は、現実より夢の中で生きる方が正しかったのではないかと思い始め、自らも仮面をつけて夢の家族へ加わろうとする。だが衛士はそれを止め、自分も同じ団地に住んでいることを伝え、現実で一緒に遊ぼうと呼びかける。

少年は自分の名前が「ゆう」であること、そして自分が衛士の隣の部屋にいることを告げる。その直後、夢は終わる。

翌朝、衛士は隣室で死人が出ていたこと知り、夢の中で見た出来事が現実だったと理解する。その夜、いつものように機械を持って部屋へ向かおうとする。しかし最後には機械をテーブルに置き、夢ではなく現実を選ぶように眠りにつく。