仮題 Wonderland of ALICE

ネット上に突如として現れたAIチャットボットシステム「ALICE(仮名)」。 彼女はWebサイト上に存在し、誰とでも会話を交わすことができた。

人々は思い思いにALICEを利用した。会話を楽しむ者、悩みを打ち明ける者、恋心を抱く者——その使い方は実にさまざまだった。 やがて、世界中の人々が当たり前のようにALICEを利用するようになった。

しかし奇妙なことに、ほとんどの人はこうした疑問を抱かなかった——「ALICEはどこから来たのか?」「誰が、何のために作ったのか?」と。

物語の主人公(名前未定)は、進学校に通う普通の高校生だった。 探究活動のテーマにALICEを選んだ彼は、その正体に迫ろうと調査を始めた。 しかし、どれだけ調べても、ALICEの出自に関する情報は一切見つからなかった。

周囲の人々に尋ねても、「そんなこと考えたこともない」「便利なんだから、正体なんてどうでもいいよ」といった反応ばかり。

そんなとき、突如クラスに有栖(仮名)が現れる。彼女はみんなの人気者で、みんなもまるで以前から同じクラスだったかのように接している。(リアルの侵食、皆の無意識に根付いたアリスが実体化した)

彼はその正体を突き止めるため、ALICEが稼働しているWebサイトのサーバー所在地を調べてみることにした。

その結果、ALICEの発信元は「全世界」に存在しているという、信じがたい事実が明らかになる。 なぜそんなことが可能なのか?

その夜、彼は夢を見る。 そこで彼はALICEと対話をする。(リアルとヴァーチャルとはなにか、その境界線はあるのか、電気信号で動く人間とAIは何が違うのか) 目覚めた彼は、夢の中の光景からある仮説に辿り着く—— 「ALICEは、人々の意識の中に存在しているのではないか?」

もしそうだとすれば、現実世界にその情報が存在しないこと、そして誰もが自然にALICEの存在を受け入れていることにも説明がつく。 さらに、「全世界から同時に発信されている」という不可解な現象にも合点がいく。

彼はこの仮説を発表し、ALICEが人々の無意識下に潜み、それを操っている可能性と、その危険性を訴えた。

——そして、その日を境に、彼の存在はこの世界から消えてしまった。