願いを何でも叶えられる装置を皆手に入れて、夢のような理想郷が訪れたとみんなが思っていた。
しかし、その正体は個人の認知機能を改変する装置であり、
みんなが好き放題改変したそれぞれの世界の不和が積み重なり、
本来の世界からかけ離れた不安定でカオスな世界になってしまった。
個人の世界の形が一致せず、現実世界そのものの存在が危うくなってしまう!
本来存在すべきものが消え、存在しないものが見える。これは果たして現実なのか?
①人類は遂に自分の夢見た世界を見れる画期的な装置を開発した!
その装置を使えば、自分の「もしも」を叶えることができる。
ある人はそれを自分の自己実現のために、またある人は世界平和のために、その用途は様々である。
⑩主人公は悩む。父を取るか、世界の修復を取るか。
主人公はまた研究者のところに再訪し、相談する。
⑪研究者は、主人公の名前を聞いた際、愕然とする。
なんと装置の開発責任者は、主人公の父親だったのだ!
父親が計画し、その後を継いだ人々が完成させたのが、この装置だったのだ。
⑫そこに突如父が現れる。なぜそのようなことが出来るのか、それは父は既に情報として存在していたからだ。
父が自らの持病により、寿命が長くないと悟った時、父はこの装置の開発を決心した。
目的は、現実世界と仮想世界の境界を破壊し、永遠に衰えない能力と寿命を手に入れるためだった。
そして、それは家族ともっと暮らしたかったという切実な願いがこもっていたのだ。
⑬父は息子に自分の計画の素晴らしさを熱弁する。さらには、
主人公に「肉体に縛られた現実世界からの脱却」を問う。
やがて主人公は重い口を開き、
「…なんだかわからない。上手く言語化できないんだけど、父さんの言ってること、
それはやってはいけない気がするんだ…」
そして、
「寿命があるからこそ、その人生に価値が生まれるんだと思う。
父さんの人生は長くなかったかもしれないけれど、自分にとっては大切な存在だった。」
と伝え、研究者に計画の実行を依頼する。その後、計画は実行された。
⑭その後、一人取り残された母親がベッドで眠る主人公に話しかけるシーンで物語は終わる。